インプラントはむし歯や歯周病などで抜歯を余儀なくした場所に人工的に歯根を埋め込んで歯を作るもので、人工歯を支えるのは歯槽骨と呼ばれる骨なので、天然歯に近い力で噛むことができます。一方、ブリッジや入れ歯は周囲の骨や歯茎に支えられる構造なので噛む力は天然の歯よりも弱くなってしまいます。さらに、ブリッジは両隣の健康な歯を大きく削る必要があり、支えとなる歯の寿命が短くなってしまうという欠点がありますが、インプラントなら周囲の歯に悪影響を及ぼす心配がありません。さらに、インプラントを支える骨に刺激が加わるので入れ歯やブリッジのように骨が痩せることもありません。
インプラントは自由診療なので施術する歯科医院や病院ごとに値段が異なりますし使用する材料も様々です。施術費用を抑えつつ、質の高いインプラントを入れてもらう裏技は大学病院を利用するか、一般の歯科や病院を利用する場合は歯科技工士がいて人工歯の製作も行っている所を利用することです。大学病院についてですが、一般の病院よりも人件費が安くて患者の支払う治療費のみによって運営されている訳でもなく、あくまで教育や研究が目的なので実質的に採算割れ状態での治療を行っているケースが多いのです。さらに国公立の歯学部や口腔外科の附属病院は施設の建設費用や設備の設置費用を診療報酬で賄う必要もありません。
ですから手術時に見習いの学生に見られたり、教育訓練で慣れていない医師に処置を施されるのが嫌でなければ大学病院の利用が最もお得ですし、万一の事故の際も適切な対応が可能です。一般の病院を利用する場合には歯科技工士の人もいて上部の人工歯の部分を製作できる所であれば、人工歯を外部の歯科技工所に依頼するよりも安くなりますし、技工士が患者から要望を聞きながらその人にあった人工歯を製作してくれる点で患者にとって有利に働きます。