歯科医院へ行く理由で多いのは、歯の痛みや歯茎の腫れです。歯の痛みは虫歯が原因と思われていますが、奥歯の痛みは親知らずによるものが多いということは意外と知られていません。日本人は顎の大きさが小さく、歯がきちんと並ぶことが難しい骨格をしています。親知らずが生えてくるのは、20歳前後と、他の歯が生えそろってからになります。
そのため、生えるスペースがない状態で歯が出てきます。場所がないので、斜めに生えてくるなどのトラブルが起きやすい歯とも言えます。斜めに生えた親知らずは、手前の歯を押してしまい、歯並びを悪くすることもあります。歯科医院で多く見られる親知らずのトラブルは、他にもあります。
親知らずまで歯ブラシが届かずに、虫歯になってしまうということもよくある症状です。歯ブラシが届かないということは、汚れが付いたままになっているので、周囲が腫れやすいというトラブルもあります。斜めに生えたり、トラブルが多い親知らずは、他の歯の健康のことも考えて抜歯が選択されます。しかし、親知らずは絶対に抜かなければいけないというわけではありません。
きちんと真っ直ぐに生えていて、上下で噛んでいるような状態であれば、抜歯する必要はありません。歯科医院では、問題のある歯だけを抜歯しています。抜歯の際には、麻酔を行い、患者さんが痛みを感じないようにしてから処置が行われます。斜めに生えているときは、あらかじめ歯を削って分割することで、患者さんに負担が少なくなるようにしています。